TNS,MMS,BSって? グリッパーの6種類のセット方法について

6種類のセット方法握力全般ネタ

TwitterやYoutubeでハンドグリッパー関連の動画を見ていると、「TNS」とか「MMS」という単語を耳にしたことはありませんか?

ハンドグリッパーのセット(閉じ方)にはいくつかの種類があるのですが、そのほとんどが外国発祥なので、日本人の我々にはあまり馴染みがないのも致し方ないかなと思います。情報の確度が高い握力トレーニーでも分からない人もいらっしゃるので、初心者の方からするとなんのこっちゃという感じなのも当然と言えます。

セットの中には、メーカーから認定を受ける際の「正式な閉じ方のルール」としての位置付けになっているものもあり、「BS」や「CCS」といったセットが該当します(後述)。

僕が知る限りグリッパーのセットには以下の6種類があり、セットごとに難易度も大きく異なってきます。

代表的な6種類のグリッパーセット
  • セットクローズ
  • MMS
  • インチセット
  • BS
  • CCS
  • TNS

今回はそれぞれのセット名の意味とセットの仕方を動画付きで解説していきますので、皆さんのトレーニングの幅を広げるきっかけになれば幸いです。

セットクローズ

まず紹介するのは、ハンドグリッパーのセットとして一番の基本となってくる動作「セットクローズ」です。残り数mmまで縮めて閉じるため、「ミリセット」と呼ばれることもあります。

セットの中では一番強度を扱えるセットになりますが、それ故にケガがしやすいセットでもあります。特に、サポートする側の手の人差し指側面や親指に強い負荷がかかるので、トレーニング後はアイシングをしたりして関節のケアをすると良いと思います。

ハンドグリッパーを使う握力トレーニングにおいて、このセットクローズは基本中の基本で、このセットを習得すれば扱える強度も1回りも2回りも上がっていきますので、ぜひ優先してフォームを習得してください。セットクローズについては以下の記事でやり方を説明していますので、まだ読んでいない方は是非ご一読ください。

MMS(Mash Monster Set)

マッシュモンスターセット」と読みます。

海外のハンドグリッパー「Mash Monster Grippers」の名前からとったセット名で、パラレル(グリッパーのハンドル同士が平行になる幅)から閉じることを指すようです。

幅で言うと19mmで、COCハンドグリッパーのハンドル径がちょうど19mmなのでCOCグリッパーをブロック代わりに使用される方が多いです。

この「Mash Monster Grippers」は以前は海外のハンドグリッパー販売サイト「Cannon Power Works(以下CPW)」で販売されていたようですが、現在では売られていないようですね。購入方法知っている方いたら是非教えてください。

インチセット

1inchの幅から閉じるセットです。

1inch=2.54cmで、幅としてはMMSとあまり変わらないように感じるかもしれませんが、このあたりからセットとしての難易度はグッと上がります。

セットには動画で使用している「セットブロック」と呼ばれる幅1inch×1.5inchのブロックが便利です。GHPとCPWからそれぞれセットブロックが販売されており、どちらもCPWのサイトで購入が可能です。(CannonPowerWorks: https://cannonpowerworks.com/

BS(Block Set)

「ブロックセット」と読み、1.5inch(3.81cm)幅から閉じるセット方法です。

GHPグリッパーの認定制度はこのBSセットで何回グリッパーを閉じられたかを競う内容となっており、GHPレベル7から申請可能なようです。(GHPグリッパー公式サイト:https://gillinghamhp.com/challenge/

インチセットと同様にセットブロックを使用すると良いでしょう。このBSあたりから手のサイズによるアドバンテージが大きくなってきます。手の小さい人は自分に合った閉じ方を研究しなければ、強度の高いグリッパー攻略は難しくなってくるはずです。

CCS(Credit Card Set)

クレジットカードが通る幅からクローズするセットです。

3文字のアルファベットだけ見ると難しいように思えますが、意味がわかれば単純なネーミングです。カードの横幅は約5.4cmですので、手の小さい人にはかなりきついセットです。

COCグリッパーでは男性は#3以上女性は#2以上をこのCCSで閉じることでメーカーから認定を受けられる制度があります。そのため、CCS攻略をひとつの目標としてトレーニングに打ち込まれている方も数多くいらっしゃいますね。

手が規格外で大きい人でしたら考える必要はありませんが、通常の日本人サイズの手(男性平均:18.5cm)くらいの人だと、セットクローズのようなグリッパー配置では指の長さが足りず、ハンドルにかからないので自分に合ったフォーム研究が必要になってきます。

TNS(Table No Set)

「テーブルノーセット」と読むようです。

もう一方の手のサポートを受けず、完全に片手だけの力で閉じ切るセットになります。

握力トレーニングをされている方からすれば「セットクローズで閉じる」ことがグリッパーを閉じた認識になるかと思いますが、初心者の思い描く「グリッパーを閉じる」はどちらかと言うとこのTNSで閉じるをイメージされていることが多いかもしれません。

鍛えている方からすると「いや、一番難しいセットなんだよ」とツッコミたくなりますが、初心者に「握力鍛えてるのに弱くね?」と言われたくなければフルレンジでのクローズもたまに練習しておいた方が良いですね。

CCSとセットクローズの難易度の差

それぞれのセットの説明を聞いて、疑問に思った方もいるかと思います。
セットによって扱えるグリッパーの強度にはどれくらいの差が生まれるものなのでしょうか。

COCグリッパー#4レベルを楽に扱える握力トレーニング上級者の数人にお聞きしたところ、CCSとセットクローズでは大体50〜60lbくらい差があるようです。

COCグリッパーで言うとCOC4の平均強度が210lbですので、COC4をセットクローズできる人はやや硬めのCOC3をCCSできるということになります。こうしてみると結構な差があるんですね。

日頃からCCSやTNSといった、広い幅でのグリッパートレーニングをされていれば、もう少しこの差は縮まると思います。

CCSなどの広い幅を強くするには?

私を含めワイドセットに苦手意識を持っている方は上級者でも結構いらっしゃいます。

CCSなど広い幅でのグリッパーを攻略したい場合はCCSの練習はもちろん必要ですが、いきなりCCSに取り組むのではなくMMS⇨インチセット⇨BS⇨CCSと狭い幅から徐々に閉じれる幅を広げていくことをオススメします。

狭い幅のセットから攻略して徐々に負荷を上げていくことで「閉じれた」という自分の成長を実感できるので、トレーニングのモチベーション維持にも役立ちます。

ということで今回は以上になります。では良いトレーニングライフを。

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