筋力トレーニングをしていて「自分には才能が無いのではないか」と感じたことはありませんか?
僕が握力トレーニングを始めたのは割と最近の話で、元々はボディメイク寄りのウエイトトレーニングをしていました。
高校生の頃(15〜16歳?)から現在(26歳)までの約10年間、挫折や怪我を繰り返しながらも筋トレを続けてきたわけですが、人と比べるのは良くないと思いつつも比べて落ち込んでしまうのは人の性と言えます。
同じ時間トレーニングに打ち込んできたはずなのに。
俺の方が考えて鍛えてきたはずなのに。
自分よりいくつも歳下の人間が競技で活躍しているのを見たり、同じタイミングでトレーニングを始めたのにも関わらずすごい結果を残している人を見た時、素直に喜べず悔しい思いを多々してきました。
人である以上、それぞれ個性があり、能力や成長速度に差があるのは承知の事実ですが、筋力トレーニングにおいて「才能」というものはどこまで影響してくるものなのでしょうか。
今回は「握力」について考察してみます。
筋トレを開始した当時の握力は38kg
僕は高校から筋トレを始めたわけですが、正直言ってセンスのかけらも無いと思っています。
当時身長は175cmくらいありましたが体重は50kg程しかなく、短距離や幅跳び等の瞬発系の種目は得意だったものの、ひょろひょろで筋力も相当にありませんでした。
高校2年時のスポーツテストでは握力測定で左右ともに38kgを記録するという貧弱ぶり。下手したらそこらへんの女子と変わらないくらい弱かったです。
筋トレを始めた明確な理由は今となってはよく思い出せないのですが、クラスで流行っていた腕相撲で強くなりたいとか、カッコいい身体になりたいとかそんな理由だったと思います。
最初は筋トレに関しての知識なんてありませんでしたし、僕が高校生だった10年前はTwitterやYoutubeはあったものの、今ほど筋トレに関しての情報がアップされていたわけでは無かったので何をどう鍛えたら良いか全く分かっていませんでした。
腕立て、背筋、スクワットを各100回ずつ、終わったらランニング!みたいなサイタマみたいな筋トレを本当にしていました。
今思えばなんて非効率なトレーニングに時間を費やしていたんだろうと思ってしまいますが、当時はそれ意外の鍛え方を知りませんでしたからひたすら自重で鍛えていました。そんなんで筋肥大するか!とツッコミが入りそうですが、元の身体が筋肉0のもやしだったのでこんなトレーニングでも半年くらい続けると筋肉がつき始めたんですよね。
この頃から同級生との腕相撲で勝てるようになってきたりと筋力の向上も見られて、自分に自信がついてきたのを覚えています。
ウエイトトレーニングを知る
筋トレを始めて半年が経った頃にバーベルを使ったトレーニング方法がある事を知り、それから自重以上の強度で筋トレをするようになりました。
同級生にガタイの良い野球部の友人がいたので、その人にやり方を教わってBIG3やバーベルカールなどの種目を中心に取り組んでいました。腕立てをしていたからか分かりませんが、初めてのベンチプレスでは確か65kgを持ち上げられて嬉しかった事を覚えています。
1年後のスポーツテストでは握力63kgを記録
自重トレーニングを半年+ウエイトトレーニングを始めて半年くらいが経った高校3年時の握力測定では、握力トレーニングを全くしてこなかったにも関わらず右手で63kgを出すことができました。前回の記録は38kgだったので1年間で25kgも握力を伸ばすことができた事になります。
今では数kg伸ばすだけでも一苦労なのでとても考えられない伸び幅です。ビギナーズラック恐るべし。個人的に握力向上に効いたのは「懸垂・ベンチプレス・デッドリフト」の3種目なんじゃないかなと思っています。それに加えて体重も1年で10kgくらい増えたのでその影響もありそうです。
その後5年間は握力に変化はほぼ無かった
筋トレを始めた最初の1年間で専門に鍛えていないのにも関わらず握力が30kg近くも伸びたので、その後も成長し続けてくれるのかと思いましたが、そんなことは無くその後数年間はあまり数値の変化はありませんでした。
その後は何をしていたかと言うと、高校を卒業した18歳あたりから23歳くらいまでの5年間はフィジーク選手に憧れウエイトトレーニングに専念していて、握力トレーニングは変わらずしていませんでした。
数値的には右手70kg前半、左手60kg前半まで伸びはしたものの、数年間変わらずだったのでこのあたりがウエイトトレーニングをする上で必要な握力だったのかなと思います。
ウエイトトレーニングだけでは握力の成長に天井がある。
本格的に握力を鍛え始めたのは3年前
他の部位と分けて本格的に握力を鍛え出したのは23歳頃と結構最近の話になります。
この頃には体重は85kgに増え、BIG3はベンチプレス140kg, スクワット170kg, デッドリフト210kgを挙げられるレベルまで成長していました。
筋トレをしている人なら経験があるかと思いますが、このくらいのガタイになってくると一般人離れしていて道を歩くと結構人に見られるようになってきます。会社では「バーベル何キロあげんの!?」とか「なんでそんな鍛えてんの!?」とか似たような質問を延々される地獄に突入します。
しかし答えられる物なら答えますが、たまにされてドキッとした質問がありました。
「握力何キロ?」です。
握力70kgって一般人からしたら強い方だと思うのですが、身体を鍛えていて体重85kgある男が「握力70kgです」というと驚きは少ないらしく、寂しい反応をされることがしばしばありました。
なので、それからは筋肉だけでなく握力もしっかり鍛えようと思い、握力トレーニングを始めました。
握力トレーニング開始1年で握力70kg→90kgに
握力トレーニングを本格的に始めた23歳から24歳の1年間で、握力はGRIP-Dで90kgまで伸ばすことができました。左手も80kg前半は出ていたと思います。この1年間は第二のビギナーズラック期間とも言えますね。
しかし、ただグリッパーをにぎにぎやっていたわけではなく、この期間は上級者からの情報収集やトレーニンググッズ・サプリメントといった自身への投資もかなり頑張ったタイミングでもあります。
ただがむしゃらにトレーニングをしていても1年で20kgは握力を伸ばすことは出来なかったと思います。
握力100kgに至るまで
怪我や生活環境の変化で筋トレから離れていた時もありましたが、握力トレーニングを始めて3年が経った現在、成果としては以下まで伸ばすことが出来ました。
- 激安握力計(max90kg):振り切り
- アナログ握力計(max100kg):振り切り
- ロシアン握力計(max140kg):110kg
- GM150:100kg
- COCグリッパー:柔no3.5攻略
これを見てどうでしょう。初心者の方からすればすごいと思ってくださる方もいらっしゃるかもしれませんが、費やした時間やお金への費用対効果は高いとは決して言える結果では無いと思っています。
多くの場合、筋トレは趣味でコスパを求める物ではありませんが、強くなりたいという気持ちは誰しもありますよね。
同じ年齢で握力120kgや130kgある人、#4グリッパーを閉じれる人なんかを見ているととても同じ時間を生きてきた人間とは思えません。結局のところ、才能がある人は自分のような人間は近づくことは出来ないのでしょうか。僕なりの考えを次項にまとめます。
結論:握力にも才能はあるが正しい努力で差は埋められる
結論から申し上げると、握力においても成長の天井の高さや上達速度は大きく異なります。
ただひとつ言いたいのは才能が大事な要素の一つであって全てでは無いということです。
人が大きく成長するタイミングも人によって異なります。トレーニングを始めた早い段階で芽が出る人もいますし、逆に何年もトレーニングを重ねてから開花する人もいます。どちらが良いというわけでもありませんし、自分がどちらかを選ぶことは出来ません。大切なのは自分の特徴を知り、自分に合ったトレーニングを見つけ、コツコツと努力を積み上げていくことです。
自分が成長するための努力を継続できることがある意味「才能の正体」なのではと思います。
もしかしたら今見ている強者の実力はその人にとって生涯の限界に近い数値で、自分は遅咲きなだけかもしれないということです。楽観的にポジティブなマインドを持って自分を信じてトレーニングできる事も才能と考えてしまって良いと思います。
握力トレーニングはちゃんと時間をかけて鍛えればある程度の実力までなら誰でもいけます。
その「ある程度」の先にいくことがとても難しいのです。自分の目標が「ある程度」の先にあるならば、才能の正体に気づき努力していくほかありません。
「才能」は結果から生まれる
いかがでしたでしょうか。終盤は結構抽象的な表現が多く伝わりにくかったら申し訳ありませんが、今伸びずに悩んでいる人にとって希望になれば嬉しいです。
周りは人の評価を結果でしか見ることが出来ません。人より抜きん出た結果を出したから「あの人は才能がある」と言われます。逆に才能があっても結果を評価されなければ普通の人じゃないですか?
なので、先述したように「才能」という言葉の価値は、抽象的にぼんやりとしたままでいいのだと思います。努力することで結果が生まれ、結果が生まれることで才能を評価されます。